おおさかナウ

2021年02月27日

市民は権限・財源のある政令市・大阪市を選んだ
「広域一元化条例」案は撤回を
明るい会・よくする会が記者会見

 

記者会見する(右から)荒田、高本、釘宮、菅、福井の各氏=19日、大阪市北区内

 吉村洋文知事(大阪維新の会代表)と大阪市の松井一郎市長(同前代表)が、2月の府市両議会に「大阪府及び大阪市における一体的な行政運営の推進に関する条例(広域一元化条例)」案を提出し、可決・成立を狙っています。明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)と大阪市をよくする会(よくする会)は19日、大阪市北区内で開いた合同記者会見で同条例案の問題点や狙いを明らかにしました。

4月1日から施行を狙って

 府と大阪市が共同設置する副首都推進本部は17日、「広域一元化条例」案を公表しました。「大阪の成長及び発展を支えるため、将来にわたって府と大阪市の一体的な行政運営を推進する」として、知事を本部長、大阪市長を副本部長とする「副首都推進本部会議」を条例に明記します。
 大阪市は「成長戦略」や「まちづくり」、「広域的な交通基盤の整備」に係る事務を委託し、府は大阪市と協議するなど、大阪市の広域行政を府に移すもの。吉村氏や松井氏は、今年度中に府市両議会で可決・成立させ、4月1日から条例を施行したいとしています。

民意を無視し都構想に固執

 会見には明るい会の荒田功事務局長、よくする会の福井朗事務局長、大阪府保険医協会の高本英司理事長、大阪民主医療機関連合会の釘宮隆道事務局長、明るい会代表常任幹事の一人で全大阪労働組合総連合の菅義人議長が出席。
 荒田氏は、大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想は2015年と昨年の二度にわたる住民投票で否決され、政令指定都市としての大阪市の権限と財源を住民生活とまちづくりに活用し、大阪の発展を目指すことになったと述べました。
 ところが条例案では府と大阪市の「一体的な行政運営」を繰り返し強調し、基本理念にある「二重行政の解消」「副首都・大阪を確立」などは、「都」構想と同じ主張だと指摘。「住民投票の結果に反する条例化であり、『都』構想実現に固執するものだ」と批判しました。

大阪市を府の下に置くもの

大阪市議会の開会日に、「政令指定都市・大阪市の権限と財源は市民のために」とアピールする新婦人府本部の人たち=10日、大阪市北区内

 条例案では、大阪市がもつ「成長戦略」や「広域的なまちづくり」の権限・財源を府に移すために、「事務の委託」という手法をとります。荒田氏は「事務の委託」は地方自治制度で認められたものだが、都道府県から市町村に権限や事務を移すのが通常で、大阪市の権限・財源を府に渡すのは制度の乱用で、許されないと強調。「副首都推進本部会議」を条例に明記し、本部長を知事、副本部長を大阪市長とすれば、大阪市を府の下に置くことになると語りました。
 副首都推進局は、条例案の「骨子」に対するパブリックコメントを1月25日から2月20日まで実施したものの、条例案の発表は締め切りの直前でした。荒田氏は、明るい会の1千人ネット調査(2日実施)でも、7割ほどが条例案についてよく理解できていないことを紹介。この中で府市両議会で可決・成立させ、4月1日から施行するのは住民軽視だと批判しました。

狙いは知事の権限の強化に

 荒田氏は、条例案の最大の狙いは、府知事の権限を強化し、カジノ誘致や万博、夢洲開発はじめ大規模開発に大阪市の権限と財源を投入することにあると強調しました。「大阪市が政令指定都市として、広域行政と生活行政の2つの役割を果たすことが求められているのに、その権限や財源を失うという重大なリスクが危惧される」としました。
 条例案を強行すれば府民・大阪市民との矛盾は大きく広がるとし、「いま必要なのは福祉・医療・教育など府民施策の充実に務める府政・大阪市政の実現、新型コロナ対策に全力を挙げることを求める」と述べました。

コロナ対策の強化こそ必要

 福井氏はこの間、24区へのPCR検査センターの設置を求める陳情署名と、住民投票の結論を守るよう松井市長に求める請願署名、議員要請、連合町会長との対話などに取り組んできたと報告。高本氏と釘宮氏は医療と介護の現場の実態に触れながら、新型コロナの感染拡大を抑えるためにも、PCR検査の拡充などが急務であり、住民投票の結果に反する条例案を強行するのは許せないと訴えました。

(大阪民主新報、2021年2月28日号より)

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