おおさかナウ

2020年05月24日

11月の住民投票「予定通り」に
維新・松井代表 コロナ禍よそに強行の構え

 大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想の住民投票について、大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会代表)は15日、新型コロナ対策で府が定めた「大阪モデル」の達成が続けば「やれるんじゃないか」などとして、当初の予定通り11月1日に実施する考えを示しました。市役所内で記者団の質問に答えたもの。感染状況を見た上で、7月に最終判断するとしています。

 「特別区」の制度案を議論する法定協議会の今井豊会長(維新府議)は同日、府庁内で記者団に、「国との協議もあるので、6月に協定書作成の集約をしておかないといけない」と発言しました。
 制度案に対する市民からのパブリックコメントの結果を受けて6月11日に意見集約を行い、同月19日に最終決定。国との協議を経て9月に府市両議会で議決し、11月に住民投票を強行する構えです。

 松井大阪市長や法定協の今井会長の一連の発言を受けて、日本共産党大阪府委員会の中村正男副委員長は16日、コメントを出しました。全文を紹介します。

「協定書案」議決のための「法定協」開催は許されない

2020年5月16日 日本共産党府副委員長 中村正男

 吉村知事が「休業要請解除」方針を打ち出すや否や、維新は、「11月住民投票」へ、6月にも2回の「法定協議会」を開き、「協定書」案を議決する意向を表明しました。

 これは許されません。

 第1に、いまは新型コロナ対策に、政治的立場をこえて全力を尽くす時であり、吉村知事、大阪市長はその職責を果たすために総力をあげるべき時です。わが党が提起したように、本当に新型コロナ対策での「出口」を見出すためには、PCR検査体制の抜本的拡充と医療崩壊を防ぐための緊急支援、すべての府民・事業者に対する「休業補償」を、長期に見すえてすすめることなど課題が山積しています。
 こんなときに市民に大きな「分断」をもちこむ「大阪市廃止=都構想」議論をすすめることは、新型コロナ対策のうえでも障害になります。大阪府・市の持てる力、その権限、財源、体制を「新型コロナ対策」に集中すべきです。

 第2に、新型コロナ問題は、これまでの日本と大阪の政治・経済・社会のあり方の根本的見直しを求めています。大阪ですすめてきた保健所・医療機関の削減や「インバウンド頼み」の「成長戦略」、「何でも民営化」をすすめてきた維新政治も大きくカジを切り替えなければなりません。

 いまの「協定書案」は、これまでの路線を何一つ変えず、さらに問題を歪め、矛盾と破たんを広げる方向にたつものです。「法定協」を開催したいのであれば、いまの「協定書案」は白紙にし、一から大阪の政治・経済のあり方について議論すべきです。

(大阪民主新報、2020年5月24日号より)

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