おおさかナウ

2014年10月24日

都構想協定書
ひどさますます鮮明に

違法・脱法・ルール破り 財政効果なし ウソ宣伝

共産党大阪市議団が懇談会

 日本共産党大阪市会議員団(北山良三団長)が20日、大阪市役所内で市政報告懇談会を開きました。労組や民主団体の代表、来年4月のいっせい地方選の候補者ら85人が参加。山中智子幹事長が、大阪市を廃止して特別区を設置する「協定書」の問題点や、「大阪都」構想へ暴走する橋下・維新の会との野党共同のたたかいなどについて詳しく報告しました。

日本共産党大阪市会議員団が開いた市政報告懇談会=20日、大阪市役所内

日本共産党大阪市会議員団が開いた市政報告懇談会=20日、大阪市役所内

山中幹事長がたたかいを報告

コスト増えてサービス低下

 山中氏は「協定書」について、橋下・維新の会が反対派を排除して単独で開いた大阪府・大阪市特別区設置協議会(法定協)で決定し、法定協正常化に向けた議会開催を橋下徹大阪市長が地方自治法に反して拒否するなど、違法・脱法・ルール破りを積み重ねてきたことを詳しく報告。総務相が「関係者の合意形成」を求めた「技術的助言」を無視する強引なやり方を続けているとしました。
 大阪市会では7月に「協定書」を無効と宣言する決議を上げたが、この間の議会論戦で「“百害あって一利なし”のひどさがいっそう鮮明になった」と指摘。特別区設置で財政効果はほとんどない一方、3つの特別区での新庁舎建設費などで600億円のコスト増になることや、設置後3年間で827億円の財源が不足し住民サービス低下は必至であること、少なすぎる区議定数の問題(表)などを挙げました。
 さらに東京都の特別区協議会では「東京大都市地域に充実した住民自治を実現していくためには、都区制度はもはや時代遅れ」との議論が活発になっていることを紹介。「そういうものを、わざわざ大阪に持ち込もうとしているのが、『大阪都』構想だ」と批判しました。

異常に少ない特別区議会の議員定数(日本共産党大阪市議団調べ)

特別区 人口 定数 同規模人口の主な自治体とその議員定数 議員定数が同じ主な自治体とその人口
北区 63万人 19人 東京都江戸川区(65万人) 44人 富田林市 12万人
鹿児島市(61万人) 50人 山形県南陽市 3万4千人
湾岸区 34万人 12人 東京都品川区(35万人) 40人 北海道芦別市 1万7千人
吹田市(35万人) 36人 高知県土佐清水市 1万6千人
東区 58万人 19人 東京都杉並区(53万人) 48人 富田林市 12万人
姫路市(53万人) 47人 松原市 12万人
南区 69万人 23人 東京都大田区(68万人) 50人 長野県飯田市 10万人
岡山市(69万人) 46人 池田市 10万人
中央区 42万人 13人 東京都町田市(42万人) 36人 岐阜県美濃市 2万3千人
金沢市(42万人) 40人    

市民をだまし 住民投票狙う

 「『協定書』の上程後に、維新の会の反市民性と無責任性があらわになっている」と述べた山中氏。橋下市長が街頭タウンミーティングなどで「住民投票だけはさせてくれ」と繰り返していることについて、「議会の承認など必要ないと言っているのと同じ。独裁ぶりが深まっている」としました。
 橋下市長は「協定書なんて理解できっこない」と言い放つ一方、維新の会の「特別区マニフェスト」では「世界レベルの海上リゾート」(湾岸区)、「西田辺を官庁街に」(南区)とばら色に描いていることを示し、「ダブル選(2011年)で『大阪市は潰しません』と宣伝したように、また市民をだまそうとしている」と話しました。
 山中氏は、議会での「協定書」の否決は必至だが、橋下市長や松井一郎知事が違法を承知で「専決」に持ち込む可能性があると強調。「大阪市廃止を許さない世論と運動を広げ、『専決』と『住民投票』を阻止するたたかいが求められる」と述べました。

日本共産党と野党共闘推進

報告する山中幹事長

報告する山中幹事長

 山中氏は、橋下市長は公募区長・校長、学校選択制はじめ目玉政策がことごとくつまづいている中で、「大阪都」構想を唯一の旗印にするしかないところまで行き詰まっていると指摘。「思想調査」を不当労働行為と断罪した中央労働委員会の命令で橋下市長が謝罪に追い込まれ、予算案や補正予算案の修正や議案の否決が当たり前になるなど、大きな変化が議会に生まれていることを紹介しました。
 「反維新」「反都構想」を基盤に、野党4会派の共同とその前進を大切にすると同時に、カジノ誘致や無駄な巨大開発など、市民に不利益となるものには堂々と反対を貫く日本共産党の立場を説明。「『大阪都』構想に存亡をかける維新の会を打ち破る渾身(こんしん)のたたかいが必要。政治の中身を変え、住民自治の拡充へ、真の改革者である日本共産党の躍進が、新しい市政に向かう鍵となります」と締めくくりました。

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